大学に行くべき(やめるべきではない)VS大学には行かなくていい(やめるべき)
この論争、前者が優勢ですね。
当初、この「論争」を見てて「大学行かなくてもいいよ!」って言ってるインフルエンサーのつぶやきを見て、
デマゴーグだなぁ
って思っていたんです。
デマゴーグとはなにか?Wikipediaから引用してみると、
デマゴーグ(独: Demagog)は、古代ギリシアの煽動的民衆指導者のこと。英語ではdemagogueであり、rabble-rouser(大衆扇動者)とも呼ばれ民主主義社会に於いて社会経済的に低い階層の民衆の感情、恐れ、偏見、無知に訴える事により権力を得かつ政治的目的を達成しようとする政治的指導者を言う。
ちょっと難しいですか?
つまり、すんごくざっくりいうと、
あまり賢くない人を煽って、力を持ち、政治的目的を達成しようとする人。
のことです。
ちなみにこの記事は、以下の大学必要不要論争の第2弾になります。
「政治的目的?笑わせないでくださいよ、僕らは政治的目的なんてないですよ!政治家じゃあるまいし。」
って言われそうなので、反論も用意しておきます。
インフルエンサーとは何か?これもWikipediaから引用します。
インフルエンサー (英: influencer)は、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと。
つまり、人々の行動を左右しうる人を指します。
インフルエンサーは私たちの行動を変化させる可能性を持った人、
ここで出てくるのが「権力」という語句です。政治学の言葉ですね。
たまに勘違いしている人がいるのですが、権力というのは役職に就いたから自動的にもらえるわけではありません。
きちんと定義があります。
権力とは、他人を抑える力のこと。
これだけだと、国家権力とか政治権力といったような「すごく強い力」だけを想像します。
しかし、権力というのは僕とあなたの間にも生じるものなんです。
「ダール 関係論的権力」でググってもらえれば、難しい説明を見ることができます。
ダールという学者は「権力」を次のように定義しました。
「Bが通常ならしないであろう何かをAがBにさせた場合、AはBに対して権力をもつ」
わかりませんね。
僕は大学をやめようとは思わなかった。
でもインフルエンサーは大学をやめるよう言い、僕は大学をやめた。
その場合、インフルエンサーは僕に対して権力をもっている。
これが(関係論的)権力の説明です。
インフルエンサーは、あなたがしないような何かを、その影響力を用いてやらせようとします(煽ります)
ついでに、インフルエンサーは、自らが関係するサロンに入会させるよう影響力を使ってきます。
なので、大学不要論を唱えるインフルエンサーの皆様には明確な意図があり、
自らの影響力をつかって「あちらがわ」から「こちらがわ」に移動させようとしている、と見なしたわけなんです。
この問題が重大だなと思ったのは、インフルエンサーの側が「どっちもどっち」論に落とし込もうとしていたことです。
つまり、
「大学に行っても、大学やめてサロンに入っても、将来のことは自己責任。当たり前の話じゃないですか」
ってこと。
どっちを選んでも、自分次第という方向に持って行こうとしているんですね。
これに対して、僕は、ちょっと待ってくださいと言いたい。
たしかに行動の責任は自分が取るのが当たり前かもしれません。
ただ、あなたに対して大学を「やめる」という行為を、インフルエンサーはさせようとしているんです。
自らの影響力を駆使して、あなたの行動を変えようとしている。
そのことを「知らんがな」と一蹴するのはどうなんだろうと怖くなりました。
ここでもう一つ、思い出したことがあります。
クラッシャー、壊し屋という考え方です。革命家ともいうかも。
壊し屋さんの目的は何かというと、「今ある何かを壊すことで利益を得る人」だと思っています。
壊すことが目的であって、それ以上のことは特に求めてないんです。
大河ドラマを思い出した人、います?
薩摩の彼は、「壊し屋」さんです。とにかく現状打破。
キューバが思い浮かんだ人、いないと思います。
ゲ●ラは壊し屋、カ●トロは壊れたあとの国をつくった人です。
壊し屋さんはとにかく壊すことを訴えます。
とても魅力的なんです。「○○をぶっ壊す!」といえば、だいたいの人は熱狂的に支持します(ライオンヘアー…)
それによって人々の支持を集め、自らの権力を大きくしていく。
壊した後のことは知らん。というか壊せなくてもいい。
自分の力を強くしていくこと、自分の利益を大きくしていくこと。
「壊す」という究極的な目的と、自分への支持を増やしていくという二番目の目的。
というのがこの類いの人たちです。
僕はインフルエンサーとか影響力を及ぼそうとする人のことをこんな風に、
非常にいやらしい目で見ています。
なので、大学をやめることを「自主的」に選択させることを目標とするわけなんです。
その後のことは知ったことではない。
せいぜい、インフルエンサーの子分として、インフルエンサーのために活動させるくらいでしょう。
(やたら「子分」を作りたがる人は要注意です)
マックス・ウェーバーを引くまでもなく、
本来であれば、力を持っている人は、「自分は力を持っている」ことを自覚しなければなりません。
政治家であれば、その結果には責任を持たねばなりません。
でもインフルエンサーは政治家ではありません。
「みんなに選ばれた」というプロセスを持っていない以上、当たり前です。
なので「自分は力を持っている」ことを自覚していたとしても、
その結果責任を取ることまでは問われないんです。
ちょっと話が大きくなりすぎていますか?笑
さて、もう一つ反論があるかと思います。
「大学進学しても、大学をやめなかったとしても、誰も責任を取らないじゃないか!」
というものです。
そうですね。大学を卒業して必ず就職できるわけではないし、
必ず成功するわけでもありません。
しかし、ここは世界を見てみましょう。前の記事でも言及したんですが、
こちらをごらんください。文部科学省のデータが出典です。
2012年のデータなので古くて申し訳ないのですが、
日本の大学進学率って、国際的には「低かった」んです。
2012年の時点で、OECD(いわゆる先進国グループ)の平均が62%、
日本はなんと51%でした。
2018年には、進学率が63%くらいになり、やっと先進国平均になったんです。
世界の情勢は、「大学やめろ」なんかではなく、明確に「大学行け」です。
政治家の学歴問題は今回の話題から脱線するのでやめときますが、
大学は絶対に行くべきです。サラリーマンになる人も、ブロガーになる人も、
起業する人も。
そうしないとこれから生き残っていけなくなります。なぜか?
2000年代に入り、世界各国では高等教育を重視するようになりました。
この傾向はおそらく、進学率が頭打ちになるまで続けられるのではないかと思います。
先進国の一部には、予算がないため(日本の様に)息切れしている国もありますけど、
中国やASEANなど後発の国なんかは恐ろしいほどの予算をかけて、大学進学率を上げようとしています。
こんな情勢のなか、日本のごく一部のインフルエンサーが、
「大学なんていらないよ〜サロンで十分だよ〜」とか言ってるわけです。
インフルエンサー的には「自分の目的が達成されればいい」わけなので、これは正しいんですけどね。
ではなぜ、世界各国は大学進学率(進学者)を上げようとしているのか?
それは、「大卒が増えると経済が発展するから」です。
こんなにわかりやすいグラフはないでしょうね。
大学進学者が増えれば、GDPも増えます。
だから必死になって各国政府は大学進学者(率)を上げようとするんです。
ここで、先程の「責任論」に戻ります。
政府は、国民の生活を維持し、発展させる義務をもっています。
自分の国を豊かにして、外国との競争に打ち勝つ使命を持っています。
もしその義務とか使命を果たせなければどうなるのか?
まず、その政府の政治家が次の選挙で落ちます。
これくらいはかわいいもんです。
最悪の場合、政府がなくなります。一番わかりやすい例は外国の強い影響下に置かれます。
日本は既にアメリカの何番目かの州じゃないですか?
不規則発言がありました。お詫びして訂正します。日本は独立国家です。
国を発展させる使命をもった政府が、躍起になって大学進学率を上げようとする理由がちょっと分かりましたか?
インフルエンサーのみなさんは、そんなこと関係ないのでしょうね。
自分たちが生き残ればいいわけですから。
ただし、清く正しいアフィリエイトブロガーを目指すみなさん(僕も)は、
「国全体が豊かになること」は正しい選択だと認識しなければなりませんよ。
世界の話からいきなり身近な生活の話に移ります。
アフィリエイトというのは何か?
こんなこと、わざわざ僕が言うまでもないですよね。
自分のサイトから何かを買ってくれたら、はいお金。
自分のサイトを見てくれたら、広告を踏んでくれたら、はいお金。
ブログの向こう側にいる人のことが大切です。
それは、何かを買ってくれたお客さん(個人)
それは、広告を出してくれたお客さん(会社)
会社が広告費を出すために商品を買ってくれるお客さん(また個人)
誰かが何かを買うことで、経済は回っています。
お金をまわすお手伝いをすることで、ブロガーはお金をもらっているわけです。
つまり、ブロガーのみなさん(僕も)が清く正しく生きていくためには、
世界経済・社会の事なんて知らないよ
じゃ、困るわけです。
日本(どの国も)自分の国は経済的に豊かである必要があります。
そうしないと商品が売れません。広告出ません。困る。
「大学不要論」がなぜ深刻なのか、ちょっと長めに説明してきました。
この記事を理解することができて、批判できるような人だったら
インフルエンサーの影響を受けることはないと思います。
そうです。インフルエンサーが求めるのは、↑に当てはまらない人です。
インフルエンサーに影響され、協力し、吸い取られていく人。
こういう人が出ないようにするため、インフルエンサーが唱える極端な言説に対して
「それは違う!」
と、声を大にして批判しなければなりません。
さて次回は、
「なぜ大学に進学すると経済がよくなるのか?」です。
いつになるか分かりませんが、その日まで〜
追伸
インフルエンサーの方こそ学歴(学校歴)を力の源泉にしてますよね。
僕は院卒ですが世間では「変なキャリアを歩んだ人」に見られるため、力がありません。