日本共産党は、独自の組織論をもつ政党だった

 

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 以前の記事で、中国共産党とアップルの共通点を軽く調べました。

「またなんということを…」と言われそうです。

が、共通点は少なくとも1つ、ありました。

それは、リーダーは少数精鋭であるということ。

 

もののついでに、日本の共産党についても調べてみました。

そしたら、25人もいました。びっくり!ざっくり言うとこんな感じ。

 

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今回は、ちょっと腰を据えて日本共産党のリーダーについて調べてみます。

その前に、「リーダーって何?」という定義が必要になります。

辞書をひけばいい?ノンノン。

組織は「自分が何者であるか」をしっかり文書にしています。

会社であれば定款、自民党は党則。共産党は規約です。

 

共産党は、組織とリーダーをどのように定義しているのか、見てみましょう。

まずはわかりやすいと思われる「組織」から。

 

 第十九条 党の最高機関は、党大会である。党大会は、中央委員会によって招集され、二年または三年のあいだに一回ひらく。

第二十一条 党大会からつぎの党大会までの指導機関は中央委員会である。

第二十四条 中央委員会幹部会は、中央委員会総会からつぎの中央委員会総会までのあいだ中央委員会の職務をおこなう。
 幹部会は常任幹部会を選出する。常任幹部会は、幹部会の職務を日常的に遂行する。

 (日本共産党規約|党紹介│日本共産党中央委員会)

 

条文の関係する部分だけ抜粋しましたが、まずもって分かりにくい。

  1. 組織としては党大会が一番「えらい」。これはたぶん、他の政党も一緒かな。
  2. で、党大会は2年か3年に1度、数日間開かれるそうです。党大会が開かれていないときは、中央委員会が一番「えらい」
  3. で、中央委員会は1年に何回か総会が開かれるそうです。中央委員会総会が開かれていないときは、幹部会が一番「えらい」
  4. 幹部会はいつ開かれるのか決まっていません。幹部会は常任幹部会をえらぶ。日常的には常任幹部会が「えらい」ことになりますね。

すごくイメージしにくいんですが、結局は常任幹部会が常に「えらい」ということになりますかね。

 

だって、組織として一番えらい党大会が開かれていない時に一番えらい中央委員会が開かれていない時に一番えらい幹部会が開かれていないときに一番えらい常任幹部会が結局一番えらいので。

 

大人数から少人数に、権限の移譲(受け渡し)が行われている感じでしょうか。

 

株式総会→全国課長&所長会議→全国部長エリマネ会議→常任役員会議?

ふつうの会社でわかりやすく説明しようとしたらドツボにはまった。

 

役職についてです。

第二十三条 中央委員会は、中央委員会幹部会委員と幹部会委員長、幹部会副委員長若干名、書記局長を選出する。また、中央委員会議長を選出することができる。 

第二十四条 (前略)幹部会は、書記局長を責任者とする書記局を設け、書記局員を任命する。書記局は、幹部会および常任幹部会の指導のもとに、中央の日常活動の処理にあたる。
 幹部会は、中央機関紙の編集委員を任命する。

以上です。 

 

えっ?

えーーーっ??

 

幹部会委員長の役割がわからない。

→想像するに、おそらく一番「えらい」

中央委員会議長を選出する「ことができる」

→????

書記局は日常活動の処理

→事務局的な?他の政党でいうと幹事長かな?

 

ニュースとかを見ると、党を代表しているのは「幹部会委員長」の志位和夫さんですね。

 

それ以前の問題で、幹部会のメンバーは、幹部会員?幹部会委員?

 

たぶん、委員長だから委員になるのか?

 

幹部委員会委員ではなく幹部会委員?ごめんなさい、ぼくにはよくわかりませんでした。

 

委員長、議長(いなくてもいい)、副委員長、書記局長。

これが共産党のトップリーダーということになるんでしょうか。

 

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当たってました。(三役って規約にはない組織だけど、たぶんセーフ?)

副委員長が6人というのもまた多いと思うなぁ。だって、副委員長の仕事も規約に明記されていないし。

副委員長は名誉職かなと思うけど、現役の国会議員が3人もいるんですよね。

国会議員すくないのにこんなに副委員長置いて大丈夫かな。

 

さて、中国の共産党でいえば常務委員にあたるリーダーたち。25人もいます。この人たちをどうやって整理しようか。

 

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まず、いくつかカテゴリーに分けてみましょうか。

  1. 名前
  2. 国会議員
  3. 規約上にある部局、役職
  4. 中央委員会の上位組織
  5. 中央委員会の下位組織

こんな感じになるでしょうか。

 

3は単純です。規約で明記されている機関(書記局、訴願委員会、規律委員会、監査委員会、中央機関紙編集委員会)とその役職を書きます。

(幹部会)委員長と副委員長もここに含まれます。

 

4と5がちょっと難しいんですが、

たとえば財務・業務委員会というのがあります。

お金にかんすることと中央委員会の業務関係を調整する機関です。これが上位組織。

その下位組織として財政部、管理部などがあるかんじ。

官庁でいえば局→課みたいなイメージです。

このパターンだと、4の〇〇委員会の委員で、その下位組織である5の●●局長というのが多いようです。

 

ただ、下位組織をもたない(〜委員会ではない)機関もあります。人事局とか広報部など。

これらは4に含まれるのか5に含まれるのかわからなかったので、ぼくの基準として4に含めました。

 

さて、25人すべてを分析してくよー!

 

お名前

議員  

規約上の組織

上位機関

下位機関

志位和夫

衆議院議員

幹部会委員長

 

 

小池晃

参議院議員

書記局長

 

 

市田忠義

参議院議員

幹部会副委員長

 

 引退するんじゃ?

緒方靖夫

 

幹部会副委員長

国際委員長

 たぶん名誉職

田村智子

参議院議員

幹部会副委員長

青年・学生委員長

 民青経験してるから

浜野忠夫

 

幹部会副委員長

人事局長

 懐刀

広井暢子

 

幹部会副委員長

女性委員長

 とりあえず女性

山下芳生

参議院議員

幹部会副委員長

国民運動委員長

 たぶん名誉職

岩井鐡也

 

 

財務・業務委員長

 

浦田宣昭

 

 

国民運動副委員長

 たぶん実質委員長

太田善作

 

訴願委員長

党建設委員

 

笠井亮

衆議院議員

 

政策委員長

 

紙智子

参議院議員

 

国民運動副委員長

農林・漁民局長

小木曽陽司

 

機関紙編集委員長

 

 

穀田恵二

衆議院議員

 

 

 

高橋千鶴子

衆議院議員

 

女性副委員長

 

辰巳孝太郎

参議院議員

 

政策副委員長

 

田中悠

 

書記局次長

 

 

田村守男

 

書記局員

党建設副委員長

機関紙活動局長

寺沢亜志也

 

書記局員

政策副委員長

 

中井作太郎

 

書記局次長

党建設委員長

 

藤野保史

衆議院議員

書記局員

政策副委員長

 

不破哲三

 

 

社会科学研究所長

 

水谷定男

 

 

選挙対策局長

 

森原公敏

 

 

国際副委員長

たぶん実質委員長

 

分析した結果です。分析というよりもウェブ上の情報を整理しただけ。

この表から、興味深いことがいくつかありました。

 

  1. 常任幹部会メンバーは党内機関の長でもある
  2. 世代交代のためにメンバーに入っていそうな人がいる
  3. 共産党はあまり女性活躍してない
  4. 国会議員ではないメンバーは官僚みたいな感じ
  5. 前議長の存在が気になる
  6. なんとなく名誉職な方がちらほら。

見ていきましょう。

  • 常任幹部会メンバーは党内機関の長でもある

これはたぶんわかりやすいです。●●委員会の委員長(共産党では志位さん以外の委員会の長は責任者と呼ばれています)は全員、メンバーです。

小木曽さんは役職が少ない気もしますが、機関紙である日刊紙の編集長でもあります。

(もう一人気になる人がいますが、それはあとで)

  • 世代交代のためにメンバーに入っていそうな人がいる

メンバーでありながら、役職が少ない人がいるように思うのです。

書記局次長のみの田中悠さんです。ちょっと調べたら、ほかの書記局次長が高齢なので、次世代の人として選ばれたのではないかと思うしかない。

副委員長で女性委員会責任者の広井暢子さんと副責任者の高橋千鶴子さん(衆議院議員)とか。

政策委員会責任者の笠井亮さんと副責任者の藤野保史さん(衆議院議員)とか。(藤野さんは以前いろいろありましたが)

  • 共産党はあまり女性活躍してない

女性のメンバーって4人しかいないんですよ。25人中4人です。共産党も男社会ですね。

しかもその4人は、そこまでの要職にあるわけではないという…(ごめんなさい)

  • 国会議員ではないメンバーは官僚みたいな感じ

国会議員ではないメンバーは、いってしまえば内向きの機関で活躍しているような気がする。国際委員会とか財務・業務委員会、党建設委員会とか。

議員であるかないかは、党内での役割に違いがあるのではないかと思った次第。

  • 前議長の存在が気になる

これに触れるかちょっと迷いましたが、やっぱり気になる不破哲三さん。

たしか80歳超えているはず。80歳超えてリーダー集団にいるっていうのは一般社会では珍しい方ですよね。

(いや、中小企業とか、マスコミとか、いろんな企業でも高齢なのに引退できないしないおじいちゃんリーダーっていますよね)

 

で、そういう人はだいたい絶対的な権力を持っています。

ということは共産党でも…?

 

別にぼくは共産党を批判したくて書いたわけではありません。興味からです。

共産党、25人の常任幹部会メンバー。

若い方は将来の幹部候補的な感じなのでしょうね。そういう人をあえてトップリーダーに入れてしまうというのは面白いです。

 

その一方、80歳台の方もいらっしゃって、なかなか引退しない。

いや、余人をもって代えがたいのかもしれません。

 

共産党もすごく人間らしい組織なんだとわかりました。これが一番かな。

なんだか頑固なイメージがありますが、共産党もまた、よくある日本の組織です。わりと普通の組織です。

日本の大企業が抱える問題をそのまま反映しています。

 

共産党のリーダーとして必要なのは、「いかに党内で出世するか」でしょうね。

トップまで出世できれば、おそらくずっとリーダーとして残ることができます。

議長トップリーダーから引退しても。

 

さて、この記事。問題がひとつあります。

それは、党大会があったり常任幹部会メンバーが入れ替わったらリライトしなければならないということ。

 

組織の中で生きる以上、人事は関心の的でしょうし、情報としても有用です。

もうちょっと調べてみたいところ。

 

今日はちょっと硬派な記事でした。

では。