遠方での仕事を終えたときにまず考えるのが、
「どのルートで帰ろうか」ということです。それ以外何も考えません。
大阪で仕事をして東京まで戻るなら、まず近鉄に乗ります。そして名鉄に乗ります。
高崎で仕事をして東京まで戻るなら、まず八高線に乗ります。そして東武東上線に乗ります。
ちょっと一工夫(ひねくれているともいう)すると楽しい帰途になります。
ちなみに「其の道の人」もしくは「ある種の病気」じゃないと楽しめませんのであしからず。
今回は名古屋での仕事を終えたときのこと。
年末だったため、そのまま新潟まで帰省しようと思い立ちました。
名古屋から新潟。日本の背骨であるアルプスをはさんで、斜向かいに位置する都市です。
名古屋→米原→富山→新潟というルートがあります。一般的なオススメ度40点。
名古屋→東京→新潟というルートがあります。一般的なオススメ度100点、ただし料金が高い。
当然僕が選んだルートは以下の通りになります。
名古屋→長野→飯山線→長岡→新潟。一般的なオススメ度0点。
四角形の対角線に忠実な移動を目指すのです。
名古屋から長野までは簡単ですね。中央(東)線の特急「しなの」で1本です。
なお、松本から長野までは車窓がオススメです。3時間以上電車に乗ることができる方のみ、どうぞ。
長野駅。お寺巡りが好きなためか、善光寺には何度かお参りしたことがあり、馴染みの深い駅です。
改札口を出て、駅ビルに入る、ちょうどその先にあるのが「ナカジマ会館」です。
会館とありますが、立ち食い蕎麦屋なのです。
「なぜ立ち食い蕎麦屋なのに、ナカジマ会館なの?」と不思議に思っていたところ。
この日の昼食はここにします。
食券式になっていて、「きのこ蕎麦」を選びました。
山の幸といえば、やっぱりきのこ。写真では分かりにくいですが、結構な量のきのこです。
壁には「ナカジマ会館」の由来が書かれてありました。引用しましょう。
信州ナカジマ会館そばの由来
創業明治21年のナカジマ会館は、戦後間もなく食糧事情も好転した所、
当時の鉄道局長の「そばの販売をしたらどうか」という言葉にヒントを得て、
立ち食いそば店を開業しようと考えました。
【省略】
昭和25年12月28日、国鉄より承認を受けた後、長野駅ホームと待合室にそれぞれそば店を開業。
その味は、旅行客をはじめ地元の人々に親しまれました。
駅と共に愛されてきたナカジマ会館も休業期間を経て平成27年3月7日、新しくなった長野駅に復刻。【後略】
飲食店や不動産業がメインらしいのですが、こうして長野駅の「駅そば」を守っているのがこのお店なのです。
ダシは少し濃いめ、蕎麦は長野らしく「無骨な味」とでもいいましょうか。
新潟の蕎麦とはちょっと違う感じがします。
長野駅の歴史と共に歩んできたナカジマ会館、ぜひご賞味あれ!