後編【2018年台風21号】帰宅難民だったぼくがJR東海の対応を考えた

 前編はこちら。今回は続きです。

toh-log.hateblo.jp

 

 

15:00

 

暇。暇すぎるー!

外は未だに暴風雨が吹き荒れています。

 

とにかく「待つだけ」というのは意外と苦痛です。終わりが見えないというのがここまで辛いとは。

駅の中を中心にパトロール(?)を続けていますが、あるものをみつけました。

 

それは、高速バスです。

関西方面や和歌山、北陸方面はほとんどが運休だったのですが、なんと、東京行きのバスが生きていました。新幹線を諦め、バスに切り替えた方も多かったように感じます。

 

「ぼくもギリギリ動いているバスに乗ろうかな」

 

と思いました。しかし、ぼくは乗りませんでした。

理由は二つあります。

 

  1. 疲れているのに6時間もバスに揺られるのには、たぶん耐えられない。それに…

 

名古屋〜東京は普通5時間半から6時間かかります。ぼくは車酔いするため、バスに乗っている間は読書できずとにかく寝ることしかできません。

しかも隣の人との距離も近く、これも苦痛です。

でも、東京に帰れるならいいじゃない?この際だから、ワガママ言っている場合じゃない。

とてもわかります。ただ、

風が非常に強く、高速道路でも速度制限がかかっていることが容易に想像できます。

そうなれば、いつ東京に行けるか分からないのです。残念ながらそれは却下です。

 

  2.もっと深刻な問題。風に流されて揺れる、もしくは横倒しになる可能性。

 

今回の台風、風がとても強いのが特徴でした。

Twitterにも、トラックが横転したりする動画が広まっていましたね。これだけは避けたいです。

バスは重心の高い乗り物です。暴風雨のなか、これに乗る覚悟は、ぼくにはありません。

 

以上二つの理由から、名古屋駅で待つことを選びました。

 

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地下鉄へ続く階段に座り込みます。疲れ果てて座り込んだのではありません。

 

ひとつ、重要なことを思い出したのです。それは、

JR東海の主要駅ではwi-fiを使うことができるということ。1時間無料で使うことができます。

1時間でセッションが切れ、もう一度接続すればまた1時間使うことができます。

 

ここで見たのはNET FLIX。これでなんとか1時間半ほど時間を潰すことができました。

自分で言うのも何ですが、この環境で1時間半も時間を潰せるというのはなかなかだと思います。

名古屋駅ならなにかあっても時間を潰せます。wi-fiのことはぜひ覚えておいた方がいいです。

 

16:30

それでもやはり、映画にも飽きてきます。お尻も痛くなってきた。

寝転がっている人もちらほら見えてきました。

 

そしてももうひとつ。この場に異質な、あるグループが現れたのです。

 

 

マスコミの皆様。JR東海の担当者が何やら説明しています。盗み聞きした範囲だと、

「駅にいる人をじっと撮ることはやめて、あくまで風景として撮ってください」

とか言っていたように記憶しています。

 

12時くらいに「運転見合わせ」してから4時間半後のことでした。

そしてマスコミの皆さんは思い思いに「取材」を始めます。本当に容赦なく撮るんですね。

あくまでも僕らは、「運転見合わせ」の「風景」なので、ばんばんカメラを向けてきます。

なので、僕も「災害時におけるマスコミの役割」を取材するため、彼ら彼女らの仕事ぶり風景を撮影することにしました。

 

 

こういうとき、マスコミが取材する対象者は、いくつかパターンがあるように思います。

その一つが、小さな子供がいる家庭(のお父さん)

ぼくのような奴は絶対に取材の依頼をされることはないと思います。依頼されてもこっちからカメラ向けて拒否しますけどね。

 

17:00

 

タイムアップです。名古屋駅で待つこと3時間。ついに「運転見合わせ」の東海道新幹線は運転再開しませんでした。

それはそうと、ぼくにはやるべきことがあります。今日のホテルを予約することです。

本当は、もっと前に予約をしておくべきでした。それは分かっています。

16時の段階で予約サイトを確認したところ、空き部屋はかなり残っており、おそらく17時でも大丈夫だと考えていました。

あと、17時までになんとか運転再開するんじゃないかという淡い期待もありました。

「架線に付着物」がアナウンスされた以上、それは絶望的であることは分かっていましたが…

 

もうひとつ、16時半頃から追加のアナウンスがありました。

「京都〜米原間で架線が切れました」

これを聞いたときの、みなさんの絶望したような顔が印象的でした。

 

さて、ホテルの予約です。ぼちぼちサラリーマンのみなさんが仕事を終えて駅に集まってきました。

さらに人の数が増えています。

ホテルの予約サイトをみたところ、名古屋駅から徒歩2分、7000円のホテルがありました。

本当はもうちょっとよさげなホテルに泊まりたかったのですが、贅沢言っている場合じゃありません。

とにかく明日帰るために少しでも近いホテル(しかも下着を買うためコンビニにも行かなければならない)

 

速攻で予約を完了させ、速攻でホテルに向かいます。予約サイトから情報が届いていないだろうことはわかっていましたが、もう限界でした。

椅子に座りたい、寝っ転がりたい、シャワーを浴びたい!!!!

 

予想以上にぼくは限界だったようです。

 

18:00

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ビールです。チェックイン後、シャワーを浴び、とにかく腹を満たすため居酒屋へと繰り出したわけです。

駅でも飲もうと思えば飲めたのですが、パブリックな場所でビールを飲むのはさすがにどうかと思い、ぐっと堪えていたのです。

 

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名古屋といえば、名古屋コーチン。美味でした。

 

 

さいごに、JR東海へお願いがあります。

 

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改札に立たれていた係員のみなさん、窓口(たぶんJR東海ツアーズの社員)のみなさん。

運転再開の目処が立たないなか、丁寧にご対応いただきありがとうございます。

現場の皆さんには、何の問題もありません。

 

こういうトラブルが発生した場合、とくに現場に負担がかかることがあります。

事件は会議室で起きているんじゃない、現場で…(略

 

今回の問題はたった一つだと思います。

なぜ「運転見合わせ」のままにしていたのか?なぜ「運転取りやめ」としなかったのか?

 

です。

JR西日本は「タイムライン防災」により、事前に全ての運転を取りやめました。

それによって困った方も多かったかもしれません。でも、

「今日は何があっても絶対に運転しません!」と言ってもらった方が楽なのです。

 

ぼくたち人間は、意外と合理的な生き物です。

 

鉄道輸送という選択肢が完全になくなれば、それいがいの合理的な選択肢を見つけようとします。

高速バス、ホテルを探すなど、他の移動手段や明日を待つという選択肢を探すことができるのです。

 

「運転を見合わせています。運転再開は未定で、おそらく相当先になります」

というアナウンスをしたJR東海。

これは、最悪の選択肢です。

 

※ちなみに、20時20分から3本の新幹線を運行しました。そこまで待った方はお疲れ様でした。

 

運転が再開される(かもしれない)相当先まで、ずっと待つ必要があります。

今回は結果的に救済用の列車が運行されましたが、運行されない可能性だってあったのです。

 

「今日中に帰らないと明日の仕事が間に合わなくなる」

という声もあるでしょうし、JR東海にはギリギリまで運行を行いたいという使命感もあるでしょう

 

でも、運転取りやめを決断してくれれば、ぼくらは対応することができるのです。

 

ひたすら関係先に電話してどうにかするとか、

早くホテルを取って、ホテルで仕事するとか。

 

今回、たまたま時間のあったぼくは、名古屋駅で定点観測しながら、

(あらかじめ予想された)災害のとき、どうすべきなのかを考えていました。

 

そこで達した結論は、たったの一つでした。

明確な選択肢をちょうだい!ということ。運休してくれてもいいんだからね!

 

よろしくお願い申し上げます。

 

では。