僕の故郷、新潟県は謎が多いところです。
まず、新潟県はどこにあるか知っていますか?もちろん知ってますよね!
当時、日本最大の人口を誇った新潟県。
当時、衆議院議員をもっとも多く抱えた新潟県。
全部明治時代の話ですけどね。
新潟県はここ。位置をしっかり覚えておいてくださいませ。
新潟県の謎というのは、ほかでもありません。
「一体、どの地方に属しているのだ?」問題です。
辞書的な正しい答えはズバリ、「中部地方」になります。新潟と北陸三県、長野・岐阜・山梨と静岡・愛知を含めたのが中部地方です。
でもなぁ、いまいちしっくりこないんですよね。
中部地方でくくった場合、中心となるのは名古屋(愛知)ですよね。
でも、新潟から名古屋ってほとんど繋がりないのです。
「そんなことないよ!」とお叱りを受けるかもしれないので、あくまでもこれは僕の感覚です。
そもそも、中部地方というのは大きすぎます。
もう少し細かい地域である「北陸地方」とか「東北地方」「関東地方」のどこに属すのか、今日ここで決定したいのです。
こういった問題は、まず歴史から確認しておくのがいいでしょう。
五畿七道という分け方をご存知でしょうか?
今から1300年ほど前に決められた、地域分類の方法です。
近畿を中心に(五畿)、他の地域を7つに分けたもの(七道)です。
さて、新潟県はどこになるのでしょう。
北陸道!!
ということで、新潟は北陸地方でした〜!
違う違う違う!!!
これはですね、近畿地方から全国を見た場合に、新潟は北陸三県と地理的に一緒にした方が都合がよろしかろうということで北陸道に入ったのだと推測されるんですよ。だって京から一本道だもんしかも新潟は海に面しているしこれは東海道というよりも北陸道だろうというのは納得いくわけですよ
現在の日本の首都は東京です!東京を中心に考えなければならぬ。
とか言っちゃうと、集中砲火を浴びそうですね。
東京は首都ではありません。
ここらへんは立ち入らないことにしましょう。とりあえず、現代は近畿ではなく関東がいろんな意味での中心だということです。
五畿七道から1200年ほど時代を下りまして、1927年、田中義一内閣のもとで、
道州制の議論が行われるようになりました。
これは北海道以外の都府県を6つに分けてしまおうという計画です。
現状の都道府県では小さすぎる。効率よく地方を治めるためには広い自治体が必要だ!
というのがその理由です。
北から仙台州、東京州、名古屋州、大阪州、広島州、福岡州の順番になります。
新潟県はどこの州になるのかな?
東京州でした。いやぁ、よかったよかった。
さすがに47都道府県を6(プラス北海道)に分けるのは少なすぎるきらいがありますね。
そこで、現代の道州制議論を見てみましょう。
市町村→都道府県→国というシステムの、ちょうど真ん中に位置するのが都道府県です。
47では多すぎる、というのが道州制議論の前提になっています。
複数の県が合併することにより、いまよりもさらに強くなる(ほんとかよ)
じゃあいくつにする?というのが問題になります。
いろんな私案が提出されていますが、一応、有識者会議で決められたのが、
9道州・11道州・13道州
の3案です。(やっぱり一つに絞り込むのは無理だったか)
では、新潟県がどの州に入るのかを確認しましょう。
9道州案・北関東信越州
11道州案・北陸州
13道州案・北陸州
んー。関東ですかね。
次の調査に行きましょう。
次はパブリックな側面から新潟が関東だということをみていきたいと思います。
日本の官庁には「地方支分部局」というものがあります。
ちほう・しぶん・ぶきょく、と読みます。
国の仕事だけど、地方にも出張所みたいなものを置いてみよう、というものです。
この地方支分部局、各省庁がわりと自由に置いています。「自由」といったのは、その区域が省ごとに異なるんです。
これからみていくように、新潟をどの管区(エリア)に含むのか、省によって違うことになります。
ある都道府県は、「とある省庁的には〇〇エリア」に属するのかを調べるのも面白いです(個人的な見解です)。
ちなみに、外務省と文部科学省には地方支分部局がないのと、調査漏れもあります。
総務省
総務省と聞いて「何の仕事をしている役所か」がすぐにイメージできる人は「通」ですね。行政組織、公務員、選挙、消防、情報通信、郵便、統計など、ありとあらゆる仕事をしています。
ちょっとマニアックなところだと、行政評価、行政管理という仕事も。
まずは管区行政評価局。もっとも身近な仕事は、行政相談でしょうか。
新潟県はどこに含まれるのかというと、関東管区行政評価局でした。
新潟は、関東。
もう一つ、総合通信局です。不法無線の取り締まりが一番わかりやすいと思います。
あとは無線免許などもこちらの担当です。
残念?なことに、新潟は信越総合通信局の管轄になっております。
旧郵政省系は信越エリアに分類されてるんですよねぇ。
信越というのは、信濃(長野)と越後(新潟)のことです。
ビッグな面積を有する県、くっつけちゃいなよ!というのが始まりです。
全部の地方支分部局を紹介するととんでもない行数になるので、結果だけ知りたい方は下の方に表をのっけておきます。
厚生労働省
もともと厚生省と労働省という別の役所だったものを(無理やり)一緒にしてできたのが厚労省です。地方支分部局は地方厚生局が有名ですね。
麻薬取り締まり(麻薬Gメン)を担当するのがここです。
そして新潟はどこに属しているのか!
関東信越厚生局
明確なメッセージが隠されていますね。
「新潟(と長野)は信越であって、関東じゃないよ!」
という強烈なメッセージが。
農林水産省
我が国の第1次産業を司るのが農水省。農業から林業から水産業、畜産業まで!
自然相手の産業だいたい農水省
地方農政局が地方支分部局にあたります。
農業経営、農業土木(農道など)を行うところですね。
さて新潟。これは北陸農政局が管轄しています。つまり、新潟は北陸、というのが農水省の見解になります(?)
また、林野庁(農水省の外局)も地方支分部局をもっています。国有林の管理などをおこなう森林管理局です。
ここでは新潟は関東森林管理局の管轄になります。林野庁いいね。
国土交通省
建設関係と運輸関係を所掌するのが国交省。
建設関係を担当するのが地方整備局になります。
新潟は北陸地方整備局。北陸なのかぁ、そうなのか。
運輸関係を担当するのが地方運輸局です。車を持っている方は運輸局が身近に感じるかも。
新潟は北陸信越運輸局。新潟長野は北陸とは別の地域なんだぜという意思を感じます。
主な地方支分部局をみてきました。
それらをまとめたものがこちら!
省庁名 |
地方支分部局 |
東京 |
関東 |
北陸 |
信越 |
総務省 |
管区行政評価局 |
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● |
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総合通信局 |
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● |
法務省 |
地方法務局 |
● |
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(公安調査庁) |
公安調査局 |
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● |
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財務省 |
財務局 |
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● |
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税関 |
● |
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(国税庁) |
国税局 |
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● |
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● |
厚生労働省 |
地方厚生局 |
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● |
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● |
農林水産省 |
地方農政局 |
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|
● |
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(林野庁) |
森林管理局 |
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● |
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経済産業省 |
経済産業局 |
|
● |
|
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|
産業保安監督部 |
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● |
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国土交通省 |
地方整備局 |
|
|
● |
|
|
地方運輸局 |
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● |
● |
環境省 |
地方環境事務所 |
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● |
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|
防衛省 |
地方防衛局 |
|
●(北) |
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警察庁 |
管区警察局 |
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● |
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合計 |
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2 |
11 |
3 |
4 |
関東〇〇局の場合は「関東」のみをカウント、関東信越〇〇局の場合は「関東」と「信越」をカウントしました。
その結果、新潟県を管轄する地方支分部局でもっとも多いのが「関東」になります。
「いや、これは新潟が関東ということじゃなくて、担当エリアの問題じゃないk」
そういうことじゃないんです。
今回の記事でいいたいことはただ一つ。
新潟県は関東地方なんです。
満足しました。
やっぱり、もう一つだけ言ってもいいですか?
役所によって新潟がどこのエリアになるのかバラバラすぎてよくわからない!
「新潟は関東だ!」というのは半ば冗談として、
どの地方に含まれるのかわからない、ミステリアス都道府県のひとつ、新潟県。
「自分の住む都道府県はどこのエリアだろう?」というのを確認する意味でも、
地方支分部局から調べてみるのも面白いかもしれません。
今日はここまで。もしかしたら続きます。