真冬にぬる湯で湯治

特に理由もなく、湯治をしてみたい一心で書いたのがこの前の記事でした。

 

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 年度末が近くなり、現実から逃げたくなるのは毎年のことで、

しかし今年は仕事を抱えて旅をするのもどうかと思い、思い切って

「湯治」のみを目的にして旅をしてきました。

 

場所は、山梨県身延にある、下部(しもべ)温泉です。

 

 聞きしに勝る「ぬる湯」の下部温泉、旧源泉の温度はなんと、32度(くらい)。

ちょっと体温高めのぬくもりですね。冬に入るのは半分怖い物見たさです。

なお、下部温泉の新源泉は51度となっていて(おそらく加水なりをして)適温です。

 

下部温泉、ひなびた場所にあります。昔ながらの温泉街という言葉がぴったりと当てはまります。

だからこそ問題となるのが、「昔ながらの温泉街」というのは基本的にお一人様を歓迎しない(明言しませんが)という雰囲気です。

湯治でも有名な下部温泉ですから、当然に湯治宿(湯治プラン)もありましたが、

湯治こそしたいものの、別に自炊したいわけでもないため、そのあたりのバランスを取るのが大変でした。

 

この「大変でした」というのは決して誇張しているのではありません。

宿を決めるのにまる2日かけました。本当に一長一短(失礼しました)、あちらを立てればこちらが立たず、金銭的なバランス、駅からの距離のバランス、食事のクオリティ…

比較、検討しなければならない材料は、それこそ無限に湧き出てきます(温泉だけに)

 

そこで今回決めたのが、下部温泉では老舗と言われる「湯元ホテル」です。

JR身延線下部温泉駅から徒歩20分です(ちなみに送迎もありますが、私は歩きたかったため、利用しませんでした)

 

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おこわ弁当

湯治は、家を出たときから始まっているのである。

遠足ではないのだから、こんなことを気にする必要はないと思うのですが、

移動こそ旅行の醍醐味だと思っている(思い込んでいる)身としては、大切なスローガンです。

 

さて、今回は少し趣向を変えて、「おこわ」を食べることにしました。

私は長距離移動をする際にだいたい駅弁を購入するのですが、冷たいご飯が苦手なのです。

「新潟出身だから、温かいご飯じゃないと食えたもんじゃない」のか別として、

とにかく冷たい白飯が苦手なのです。だからこそ、崎陽軒のシウマイだけを買ってみたり、ほんのり温かい「おぎのやの釜飯」を買ってみたりするのです。

 

そこで登場するのが、おこわ。冷たくなっても美味しいというので以前食べてみたところ、食感も良い、しかも美味しく食べることができ、一発でファンになってしまいました。

 

新宿から特急に乗り甲府駅へ、身延線に乗り換えて下部温泉駅へ。

所要時間などは上記の過去記事に書きましたので、ご参照ください。

 

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15時なのに日暮れ

下部温泉駅の到着は15時くらいだったと思いますが、既に日が暮れようとしています。

「山の合間にひっそり建つ下部温泉」と言いたい所なのですが、残念ながらイメージはかなり異なっております。

その昔、団体旅行が主流だった頃はひっきりなしにお客さんが来ていたのだろうな。

小さいながら、いくつもの温泉宿がひしめきあっていたのだろうな。

 

私は下部温泉を「ひなびた温泉街」と表現しましたが、そのような甘い世界観ではないように思われました。

廃業したホテル、旅館。廃業した飲食店、無人になった住居。

平成の御代も終わろうとしているのにも関わらず、下部温泉は未だに昭和のままです。

 

前述の通り、下部温泉の宿は「湯元ホテル」に決めていました。駅から徒歩20分です。

川の対岸に建物があり、橋を渡って入館するという斬新なスタイルです。

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入り口

この日宿泊したのは、おそらく私だけ。

あとは工事関係のお兄さん(?)がいました。

部屋は6畳一間の湯治宿スタイルで、既に布団が敷かれています。

「チェックインしたら、あとはご自由に」のメッセージ、しかと受け取りました。

こちらとしても楽な気分で過ごすことができます。

 

さて、お茶を飲んだあとは早速温泉に入ることにします。

湯元ホテルでは、旧源泉つまりぬるい源泉を使用していますが、旧源泉を沸かした浴槽も完備されています。

ホテルの方にも、「冷たいお湯(語意矛盾?)と熱いお湯、交互に入ってください」と説明をしていただきました。

言いつけを守って、まずは熱い温泉に入り、続いてぬる湯につかってみます。

真冬の時期に32度(たぶんそんなにないと思いますが)につかるのはちょっと勇気が要ると思います。

ただ、すごく冷たい!というわけではないため、20分くらいなら余裕で入浴することができます。

お客さんもいない中、ぬるいお湯でぼーっとすること1時間。

その後も熱いお湯と交互に入り、気づけば夕飯の時間になっていました。

 

今回は2泊3日をたった1人で過ごしてみたわけで、入浴時間を合計すればおそらく10時間は超えたと思います。

3日目に「湯あたり」の症状が出てきたと思われ、さらにじっくり湯治をすれば体調が回復できたのに、と思います。

 

それにしても、湯治という過ごし方は地味ながら素敵だと思います。

大変に地味なので、インスタ映えしないし、ブログのネタにもなりにくいし、

そもそも友人などと話すネタにもなりにくい。

一方においては、自分自身とじっくり向き合うこともでき、

都会では恐らく体験できないような「暇」な時間を過ごすこともできます。

 

次回は自炊スタイルの湯治にも挑戦してみようかと思った次第です。

湯治仲間でも募集しようかしらん。